閑話-13 エルガーのチェロ協奏曲ホ短調作品85

 今、丁度アルページオーネソナタの仕上げに取り組んでいるところですが、その合間にエルガーのチェロ協奏曲を打ち込み始めてます。 この曲は夭折した天才的チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの熱演で広く世の中に再認識されたようです。 只、私にとって彼女の演奏は熱すぎて、もう少し「奥深く」表現した方が、曲想に合うんじゃないかなとも思っております。 ともあれ、彼女の「おかげ」で今やチェロの名曲の一つに数えられるようになりました。

  さて、打ち込みですが、冒頭の大変印象的なカデンツアはこの曲全ての先行きを物語っているともいえるんじゃないでしょうか。(下記楽譜) ですからこの部分をどう弾くかがこの曲の印象を早々に決めてしまうと思うんですよ。 特に、冒頭の四つの重音、それをどう打ち込むか。 ここでエルガーは、わざわざ”nobilmente”(上品に、気高く)と指示しております。 そこが、ジャクリーヌ・デュ・プレの熱演でチョット気になる点です。 続く四小節目にあるグリッサンドに至る道筋をどう聴かせるか、色々試行錯誤をしております。

 また、協奏曲として金管、木管、弦楽器、ティンパニーをフルで打ち込むのはこれが初めてですので楽しみながらやってます。 先ずは、曲全体の雰囲気を決めるためにソロチェロを打ち込み、その後オーケストレーションに取り組むことにしました。 それぞれのパートを吟味しながらになりますから大分時間がかかるかと思いますので先ずは第一楽章完成を目標に。

 ベートーベンの後期ピアノソナタの見直しも控えており、さてさて、どうなりますことやら・・・。