ようやく29番[1]の見直しが終わりました。6か月ほど掛かったでしょうか。その間、様々な見直しを行いました。中でも今回は、このピアノソナタの根幹に関わるポリフォニーについて、前回よりも理解が少し進んだかなという実感があります。その詳細についてはここでは触れません。ただ、その成果が少しでも音の流れとして表れていれば嬉しいですね。
[1]:Piano Sonata no.29
また、いつの日か再び見直すことになるんじゃないかなとも思っています。これまでの見直しもそうでしたが、その時々の自分なりの理解や感じ方が、良い悪いは別として、その時の作品の姿になるんでしょうね。
今回、我が師から「実験的にベートーヴェンが指定したメトロノームテンポで演奏してみたらどうだろう」という提案をいただき、挑戦してみることにしました。
このテンポ指定については、「当時のピアノでは現実には演奏できなかったんじゃないか」とか、昔からいろいろな議論があります。でも、聴覚を失ったベートーヴェンの頭の中では、本当にこのテンポで音楽が鳴っていたのかもしれない──そう考えてみるのもなかなか面白いことですよね。このテーマについては、改めて別の記事で書いてみたいと思っています。
ただ、テンポの議論ももちろん興味深いんですが、この曲の本当にすごいところは、緻密に計算された構造と豊かな情緒とが見事に一つになっていることではないでしょうか。半年間見直してきて、なるほど「最高峰のピアノソナタ」と言われるのもよく分かるなあと、改めて感じました。
曲名:
Title:
Piano Sonata No. 29 in B-flat Major, Op. 106, “Hammerklavier”
音源:
Sound Library:
Synchron Concert D-274
Audio file format: mp3
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