Beethoven “Piano Sonata No.28”

 ようやく28番が「まあいいでしょう」というところまでたどり着きました。
今回はなんと7ヶ月以上かかりました。 コロナの影響で先生のリサイタルが一年延期になり、その間時間がとれたということでじっくりレッスンをして頂いたというわけです。 次の29番や最後期の30,31,32番の割にあまり注目されず、コンサートにもさほど登場しない曲ですが、やればやるほど凄い曲だなーと思えるようになってきました。

 実は、この28番の第二楽章91,92小節の左手は楽譜(Henle版)で書かれているよりも、「わざと」オクターブ下げて弾いてます。 同36,37小節との対比で考えると、きっと、ベートーベンはそうしたかったんだろうということです。 (先生からの受け売りです) つまり、当時のピアノはそこまで低音域の鍵盤がなかったためだということです。 まさに実験ですね。     

 さて、「まあいいでしょう」にたどり着いた際の先生のコメントを以下に載せておきます。
 ・・・バレンボイムがコロナで演奏会がキャンセルになって3ヶ月時間が出来たから、ということで5度目のベートーヴェン全ソナタの録音をしました。 CDが届いたばかりで私も今28番を聴いばかりです。 ずっと森の木の枝振りのようなことに目を凝らして来ましたので、森全体を見るつもりでバレンボイムを聴いてみてください。 いろいろやって来たことが「そうか成る程」と思われると思います・・・

 聴いてみました。 すべての展開がきちっと頭の中で整理整頓されている、つまり手の内にあるんでしょうね。 タッチやテンポの取り方の素晴らしさは言わずもがなでしょう。 なかなか、こういう弾き方はできませんね。 「一から見直して演奏した」ということですので、何を見直したのか、かつてのいくつかの演奏と比較して、素人ながら勉強してみようと思ってます。

     曲名:Piano Sonata No.28 in A major, Op.101
     音源:Vienna Synchron Concert D-274
     Audio file format:mp3

YouTube:Beethoven Piano Sonata No.28