閑話-3 ベートーベンのピアノソナタ 29番 

 そろそろ29番(”Hammerklavier”)を目指そうかなと思い勉強を始めました。 様々な文献を少しずつ読んでるんですが、今更のようにピアニストにとっても極めて難曲であることがわかってきました。 プロでも相当手こずる曲のようですね。 ですからコンサートなどではあまり演奏されないんだそうです。 その手こずる点については園田高弘さんのレクチャーを参照して下さい。

 その中でピアノを弾けない私に対応できそうなのは、「40分以上の長大な演奏時間のあいだ、極めて高い演奏技術を保って弾き続けること」でしょうか。 MIDI打ち込みの場合、表現したい内容がちゃんとインプットさえできていれば、この点はクリアできる課題です。 まさに、DAW(Digital Audio Workstation)さまさまですね。

 問題はこの曲の構成が相当難解だということです。 その上、ベートーベンによって指示されたテンポそのものが論争になっているほどです。 第一楽章などは指示が速すぎて到底弾けない箇所も出てくるとか・・・。 本当にこのテンポでいいのかと思える箇所が出てくるそうです。 当時使っていたピアノは現代のコンサートピアノとはだいぶ違っていた、つまり「音鳴り」にその要因があるとか・・・。 でも、もう耳が聞こえなくなっているベートーベンは頭の中で音づくりをしていたので問題なかったのかもしれませんね。 これらはド素人の自分にとっては到底分析できないことで、先達の方々の解釈をそのまま使わせて頂く他ありません。

 このように、だいぶ特異な、孤峰ともいえるピアノソナタです。 それこそMIDIの打ち込みでちゃんと聴いてもらえるようになるのにどれほど時間がかかるかわかりません。 でも少しずつ手がけてゆけたらと思ってます。