Mozart “Unfinished” Fantasy K.397

 モーツァルトはいかがでしょうか。 先生に勧められて、Fantasy in D minor K.397を打ち込みました。 この小品はコンサートなどでもよく弾かれる名曲なんですが、実は「未完」ということでも有名です。 モーツアルトは、もっと大きな作品を構想していて、それを中断してしまったんだろうというのが大方の見方です。 なぜそうなってしまったのか今となっては不分仕舞ですが、様々な研究がされてるんですね。

 そして、「この小品のまま終わりにするならば」という仮定のもとですが、なんとか未完の楽譜を仕上げてみようと付け足されたエンディングの楽譜がいくつかあります。 昔からよく弾かれるのはMüller作といわれているものです。 でもこの曲の構成を考えたら、そういう作りでは駄目なんじゃないかという音楽家もずいぶんとおります。 内田光子さんもその一人で、よく練られたエンディングで弾いてます。

 さて、ここではHackmeyの論文に掲載されているエンディング(Example 12)を基に打ち込んでみました。

     曲名:Fantasy in D minor K.397(Hackemy)
     音源:Vienna Synchron Concert D-274
     Audio file format:mp3
 

 この過程で、Müller版とUchida版のエンディングも自分なりに打ち込んでみました。 モーツァルトの途中で終わってる97小節フェルマータまでと、その後の三様を比較してみましょう。 エンディングの幾分前のところから聴いてみてください。 それぞれ三者の意図をどう捉えたらいいか興味あるところです。


 1.Mozart _Unfinised


 2.Müller版


 3.Uchida版


 4.Hackmey版