ベートーベンのバイオリンソナタ9番、いわゆる「クロイツェル」の第一楽章です。
ちょうどピアノソナタの傑作「ワルトシュタイン」が作曲された頃と同時期につくられてます。 この曲は、バイオリンソナタの最高傑作ともいわれていますが、ピアノとバイオリンそれぞれが競い合って醸し出される世界は素晴らしいの一語に尽きます。 その上、この名曲はロシアの文豪トルストイに『クロイツェル・ソナタ』という小説を書かせました。 チェコの作曲家ヤナーチェクは、このトルストイの作品からインスピレーションを受け名曲、弦楽四重奏曲第1番《クロイツェル・ソナタ》を作曲しております。 随分と影響力のある曲だったんですね。
一昨年、ご指導いただいている先生のリサイタルでドイツ在住のバイオリニスト、八嶋博人さんとの協奏を聴いてからなんとか打ち込んでみたいと思っていました。 ただ、弦楽器のソロはMIDI打ち込みの鬼門ともいえるもので、それらしく聞こえるためにはかなり細かな音の調整が必要になって来ます。 弦はピアノと違って自然減衰をしません。 それどころか奏者が一つの音の中を自由に変化させることによってその個性を発揮できる楽器です。 それが逆に打ち込みを難しくさせている原因でもあるんです。
その上、ソロStrings音源で生楽器らしく聞こえるものが少ないようです。 今回はSpitfire Solo Stringsのバイオリンをメインに、VSL Synchron-ized Solo Stingsのバイオリンを一部重ねて打ち込んでみました。
さて第一楽章ですが、なんといっても出だしの緊張したフォルテの重音から始まる四小節がこの曲の全体を暗示しているんでしょうね。 特に最初の重音を作るのにだいぶ時間がかかりました。 この四小節の打ち込みが弦の音作りに大変勉強になりました。 残り、第二楽章、三楽章・・・夏頃にはなんとか仕上がるかな。
曲名:Violin Sonata No.9 in A maijor, Op.47
音源:Spitfire Solo Strings(Violin),Vienna Synchron Concert D-274(Piano)
Audio file format:mp3