バッハのゴールドベルグ変奏曲「アリア」のピアノ版です。
今まで弦楽三重奏、ハープシコードと打ち込んで来ましたが、ようやくピアノにたどり着きました。 当初、ピアノで打ち込んでみようとやってみたんですが、なかなかポリフォニーの処理が難しく散々でした。 そこでそれぞれの声部をバイオリン、ビオラ、チェロに割り振ってそれぞれのパートの役割などを確認しながら打ち込んでみました。 その後弦楽三重奏で整えた声部の役割を生かしてオリジナルのハープシコードで打ち込んでみました。 そして、ようやくピアノでの打ち込みにたどり着いたというわけです。 ハープシコードと違って、現代ピアノは音に様々なニュアンスを付けることが出来ます。 逆に、そのことがこのシンプルで美しい曲の演奏を更に難しくしているんだと思いました。
著名なピアニストもかなりの時間を掛けてこの曲を研究し、演奏しております。 我が師のゴールドベルグ変奏曲(全曲)のリサイタルもなかなかのものでした。 既に足かけ40年もやっているんだそうですが、まだ高みを目指しているとのこと、たいしたもんです。 その厳しいレッスンのもと大分時間が掛かりましたが、何とか聴けるようにはなったかな。
この変奏曲の頭になるアリアは原譜ではAA’BB’で繰り返されるんですが、中にはABで直ぐ第一変奏に入っている演奏家もいます。 ここでは楽譜通りに繰り返して打ち込んでます。 ただ、AとA’、BとB’とをどう弾き分けるかが課題になりました。 幾つか試したんですが、やっぱり我が師の提案が一番良いかな・・・ということで
A:内声のヴィオラパートを抑えて、全体に主旋律がクリアに立つようにする
A’ :内声を「聴かせる」ようにする。それに呼応しているバスの八分音分の動きも。
B :Aと同じ
B’ :メロディとバランスさせながらバスを聴かせる。内声のバスに呼応する部分も連携して。
今回、幾つかのピアノ音源を比較しながら打ち込んでみたんですが、この曲のようなポリフォニーの場合は一音一音の音抜けの良さと、ハンマーの堅さが調整できる物理音源、Pianoteq8 Proがなかなか良かったのでこの音源を採用しました。 実はこの音源の比較検討にも相当時間が掛かりました。
曲名:Goldberg Varriations “ARIA”
音源:Modartt Pianoteq8 Pro
Audio file format:mp3(PCで直接聞かれる方はご参照ください)
YouTube: Goldberg Variations “ARIA”(Piano)