バッハのゴールドベルグ変奏曲、アリア(ピアノ版)をYouTubeにアップしたら直ちに以下の二件の著作権侵害クレームがSME(Sony Music Entertainment)から付きました。 今回もすぐに異議申し立てをしましたが、ちょっと不思議な著作権侵害のクレームです。
それぞれ相当する曲がYouTubeにありましたので以下に張っておきます。
1.Aria da capo_Final Edited Version Glenn Gould
2.Goldberg Variations, BWV 988 (Binaural Stereo Version): Aria da capo (Binaural Stereo) Zenph Studios
両方とも元の曲はGlenn GouldのAria da capo(最初のAriaと同じで変奏曲の最後に繰り返される)です。 さて、グレングルードのゴールドベルグ変奏曲は若き1955年に録音されたものと、亡くなるすぐ前、1981年に録音されたものが特に有名です。 この1と2を調べてみると、その両年の録音から新たに作成した版のようですね。
ところで、ご承知のようにテンポは全く違ってるんですね。 と言うことは、YouTubeのサーチングシステムは、テンポについては全く無視していることになりますね。 今回のクレーム対象になった私が打ち込んだ際のテンポはそれぞれとは全く異なってますから。
1.はどうやら1981年に一曲一曲毎にテイクしていったマスターから2002年に再度リマスターされリリースされたもののようです。
2.は1955年に収録れたモノラル音源を音楽解析ソフト「Zenph」で解析し、ヤマハの自動演奏ピアノを使って再現するという新しい試み(2007年版)のもののようです。 どうやらバイノーラル録音のようですね。 実は私が使ったピアノの物理音源、Pianoteq8はかなり近い音質を出しているようです。 又この試みについては宮澤淳一さんという方が詳しく解説されております。
このZenphというソフトはどういう機能を持つものか、中身は全くわかりません。 只、”zenph.com”というURLを辿るとSteinway & SonsのSPIRIOのページに飛びます。 どうやらSteinway & Sonsの自動演奏が出来るピアノ”SPIRIO”に継承されているのかも知れませんね。 これは面白い試みだとは思います。 でも演奏家の再現という視点は私の打ち込みには全くありませんので、向かう方向が全然違いますね。