遙か昔50年ほど前になりますかね、しばらくの間、パリ・サンルイ島に住んでいたことがあります。 丁度一フラン、80円少々の頃でしたかね。 夕食を終えてその日の仕事を纏めながら、いつもラジオ・フランスだったかアンテーヌ2だったか(ちょっと記憶が曖昧)を流していたんです。 確かその局の一日の放送終了の際に流れる音楽が、このマルチェロのオーボエ協奏曲、第二楽章のアダージオでした。 これが流れてくるといつもそろそろ寝ようか・・・という習慣になってました。 朝は隣のシテ島にあるノートルダム寺院の6時の鐘の音で目覚めていたはずなんですが、こっちの方はあまり印象に残ってないんですよね。 不思議なことにこのアダージオを聴く度に、何故かあのアパルトマンの窓から黒々と連なる煙突の夜景を思い出します。 他のことはさっぱり忘れちゃったんですがね。 そこで、なにやら懐かしく印象に残っているこのマルチョロのオーボエ協奏曲ニ短調第二楽章のアダージオを打ち込んでみることにしました。 久しぶりに「バロックの名曲」ですね。 先に打ち込んだアルビノーニのものと並べて二大アダージオとも言われているようですね。
かのバッハがこの曲をチェンバロ用に編曲(BWV 974)した際のオーナメントが大変素晴らしく、そのおかげで本来の曲が大きく変身したのではないかなとも思えるほどです。 かなり沢山のCDがでておりますが、そのせいかその殆どがこのオーナメントを使っていますね。 もっとも当時は楽譜その通りではなく、オーナメントを屈指して演奏することが当たり前だったようですけどね。 ここでは略バッハのオーナメントに沿ってオーボエを打ち込んで見ました。 只、和声の進行が楽譜によって大分違い(編曲)があるようですね。
さて、主役のオーボエ音源はAudio Modering社の物理音源であるSWAM Double ReedsのなかのOboeを使うことにしました。 SWAMの管はソロ弦と比べてかなりのレベルにきているので、充分使えると思いました。 一方弦の方ですが、今回は以前にも使ったことのあるAudiobro社のサンプリング音源、LA SCORING STRINGS 3を使って見ました。 バージョンが3に上がってから非常に使い勝手が良くなりましたね。
曲名:Oboe Concerto in D minor, S D935
音源:SWAM Oboe v.3, LA SCORING STRINGS 3
Audio file format:mp3(PCで直接聞かれる方はご参照ください)
YouTube: Marcello Oboe Concert “Adagio”