閑話-7 再びベートーベンのピアノソナタ 29番

 新たに取り組み始めた”Hammerklavier”、なんとか全楽章のmidiファイルのチェックが終わりました。 ミスタッチや音の運びの修正が凡そ終わりましたのでいよいよ曲作りに取り組んでゆくことになります。

 一つ一つ音符を確認しながら、その間思ったのは「midiでこれほど大変なんだから、これを生のピアノで弾くのはそれこそ至難の業なんだろうな・・・」ということでした。 楽譜通りにピアノを弾く技術は当然のことながら、知力、体力 精神力の充実がないとこの長いソナタに取り組むのは容易じゃないでしょうね。 実は私も全楽章を一度に最後まで聞いたのは数えるほどでした。 ですから、巷、最高峰のピアノソナタとはいわれてはいるものの、ちゃんと聴きこなした人はさほど多くはないんじゃないかなとさえ思えるほどです。

 さて、DAWではピアノを弾く技術については、なんとかコンピューターがやってくれます。 後は曲の解釈でしょうか。 でもこれが非常に複雑で、次々に積み重なってくる構造が自分の理解を遙かに超えて追いつきません。 何やら追いかけている音がふっと行方不明になってしまう感じです。 ベートーベン本人が、「50年もたてば弾けるようになるだろう」と言ったとか・・・。 宜なるかな!

 少しずつ、少しずつ音を作ってゆこうと思ってますが、「取りあえず」でも仕上がるのはだいぶ先になりそうですね。