エルガーのチェロ協奏曲、第一楽章です。 チェロを主役とした大変印象的な曲で、チェロ協奏曲の中でも名曲の一つです。 もうお二人とも亡くなってしまいましたが、バルビローリの指揮によるデュプレの熱演で世に広まった曲です。
今回は本格的な協奏曲の打ち込み事始めということで第一楽章だけです。 先ずはソロチェロを全て打ち込んだ後から弦、木管/金管・ティンパニを区切り毎に打ち込んでゆきました。 只、それぞれ小節毎にきっちりと打ち込んでも、特にストリングス音源の頭出しに大分苦労しました。 同じ音源でもアーティキュレーションによって立ち上がりが速かったり遅かったりしますので、単純にディレイ機能で調整するだけではうまくいきませんでした。
前にも触れましたが、この曲の出だしのカデンツァには大分時間がかかりました。 この部分の演奏の仕方によって曲全体の印象が決まってしまうと思ったからなんです。 ところで、件のジャクリーヌ・デュプレなんですが、私はこの部分、何やらチョット走りすぎるようなところがあって聴いているとどうも落ち着かなくなっちゃうんですよ。 でも、それ以外は聴けば聴くほどオケの入り方などたいしたもんだと思いました。 我が師はバルビローリの指揮を絶賛してました。
ソロチェロがオーケストラを引っ張って様々なパートの音を要求するわけですが、なかなかその駆け引きが難しかったです。 デュプレ以外にも名盤と言われているものを幾つか聴きながら、なるほどここは木管の出番か・・・などなど勉強しながらの打ち込みでした。 が、我が師には細かな駄目だしを大分いただき、大変時間がかかってしまいました。 特に、クラリネットの役割に今更ながらの「なるほど」でした。 指揮者の設計書のようなものがあると、自分のように音楽力のレベルが低い人間にはありがたいのにな・・・とつくづく思いました。 ですから本番の演奏もさることながら、リハーサルの様子を収録して提供してくれると大変勉強になるんですがね。 でも、あんまり需要がないかな。 我が師の紹介で、ちくま文庫の「世界の指揮者」吉田秀和著を読んでみました。 カールベームによるウイーン交響楽団との練習風景(この曲ではありませんが)について述べている下りです。 ここでは詳しく触れることが出来ませんので、興味のある方はこの本を読まれるといいと思います。 ことに重箱の隅をつついているかのように思える一つ一つの細かな音作りが、なんと素晴らしい全体像を作り上げていることか。 その一つ一つの取り組みが、薄皮をはいでゆくようにカールベームの音楽像となって、人々を納得させる力になっていく・・・その過程を吉田先生独特の感性で記述されてます。
曲名:Elgar Cello Concert Op.85(1st.Movement)
音源:Solo Cello:Emotionak Cello
Strings:Modern Scoring Strings
Woodwinds:Berin Woodwinds
Brasses:Modern Scorin Brass
Timpani:Vienna Timpani
Audio file format:mp3
YouTube:Elgar Cello Concert,Op.85